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 「美味しく召し上がれ(仏語“ボナペティ”)」。彩り鮮やかで、旬の味わいがずらりと並ぶ食卓に、この一言が添えられる家庭は、きっと幸せ。「カンタン」や「5分でできる」といったキーワードで何万というレシピが検索できる今の時代ですが、「料理」は単に食欲を満たすためだけのものではありません。家族に対する愛情や、味わうほどに満たされる幸福感を伝えるもの、心と身体をつくる礎となるもの、それが本当の「料理」であり「母の味」。当たり前だけど、現代の多忙な主婦が忘れがちな「料理」に対する温かな姿勢を、改めて教えてくれるのが料理教室「ボナペティ」を主宰する赤崎奈穂子さん。

 専業主婦から、料理教室の主宰へと華麗にステップアップした赤崎さんの生き方は、これから結婚、出産、子育てを控えた女性の素晴らしいお手本となるものです。自分らしく生きるために、今何をするべきか、何を大切にするべきか…赤崎さんのこれまでの人生からたくさんのヒントをいただきました!

 赤崎さんは、呼吸するように自然に料理ができる人です。「料理好き」以上に、料理との距離が近く、料理=仕事でもなく、料理=趣味でもなく、料理=赤崎さん、と言ってもいいくらいに、身についているように見えるのですが、その秘密は

 「当時としては珍しかったのですが、我が家の両親は共働きだったんですね。それで、小学4年生の頃から家族の食事は、長女である私がつくることに。父はとても厳しい人で、料理はもちろんですが、毎日の拭き掃除も私の仕事でした(苦笑)。遊びたい盛りでしたから、お友達と遊ぶのも全力で、家に帰ってからは料理と掃除など家事を全力で。料理が好き、とか、家事をするのがツライ…なんて考えるヒマもありませんでした(笑)。ただ、父がよく「大人になればわかる」と言っていたのですが、今にして思えば厳しく躾けてくれて有り難かったな、と思います。毎日家族のために料理をつくるわけですが、テレビの料理番組が私の先生。料理番組を見ながら料理をする、という生活の中で、いつ頃からか「私もテレビの料理番組に出るような人になりたいな」とぼんやり考えるようになっていましたね。料理を仕事に、と明確に考えていたわけではありませんが、憧れは常にあったように思います」。

 小学4年生にして、両親、妹、弟の食事をつくる「主婦」であった赤崎さん。毎日の家事という、子どもにしては厳しいハードルを課せられていましたが、それをマイナスに受け取ることはなかったそう。むしろ、食材や調味料の組み合わせなどを研究する、元来の好奇心が赤崎さんの料理を後押ししていたのでした。

 短大の食物科を卒業するにあたって、赤崎さんには将来のビジョンがありました。

 そんな大げさな「夢」と呼べるものではないんですけど(笑)。まず、20代までに結婚しよう!と。30代では子育てを一生懸命やろう!40代になったら、自分の「好きなこと」に熱中しよう!そして50代になったら、社会に貢献できる人間になろう!それぞれの年代で大まかな目標を立てたんです。だから、まずは「結婚」(笑)。良い人とめぐり逢って、20代で結婚して、早く子どもが出来たらいいな、と考えていました」。

 これまで「長崎の旬なひと」でご紹介させていただいた、輝く女性たちの共通点とも言えるのが、この「自分との約束」。いつまでに○○をする!という自分に課した目標を確実に達成していくことで、彼女たちは大きな夢を実現させていたのです。赤崎さんも例外ではなく、自分との約束を果たすよう努力してこられた方。21才でご主人と出逢い、23才で結婚、24才で第一子を出産し、27才の時に2人目を出産した赤崎さん。

 「20代で出産を終えて、30代は子育てに没頭しました。当然、外に出たい!という気持ちもありましたが、40代に好きなことに全力で取り組むと決めていましたから、「今は、充電期間。飛び立つ前の蓄えの時だ」と自分に言い聞かせていました(笑)。自分のやりたいことをやるためにも、全ての基本である「家庭」をきちんとしていなくては、という思いもありましたし。友だちとお茶したり、遊びに行ったり、そういう時間を思い返すと、「あの時、他にできることがあったんじゃないか」と思うこともあるんですけど…でもね、あの頃いろいろと語り合った友だちは今も友だち。私が40代で料理教室を開いた時に誰よりも力になってくれたのは、その時の友だちだったんです。そう考えると、お茶した時間も遊んだ時間も、何一つ無駄なものはなかったな、と思えるんです。友人たちには、心から感謝しています」。

 充電し蓄えて、助走をつけて飛び立つ。赤崎さんの生き方は、「メリハリ」そのもの。女性はついつい、アレもコレも同時に何かをしようと欲張りになってしまうものですが、そうした生き方は散漫になったり、自分自身をすり減らしてしまうことになりがちです。目の前の一つのこと、一つの道に集中し、充電期間をとりながら着実に積み上げるという赤崎さん流の生き方なら、女性は消耗することなく大きく羽ばたけるのかもしれません。

 「次男が小学1年生になった頃から、徐々に社会へ飛び出す準備を始めました。週に1〜2回、外で働くようにして。主婦って自分では気づかないんですけど、やっぱりドーンとしているところがあるんですよね(苦笑)。この頃から、少しずつ走り始めたのかな(笑)。料理教室にも通うようになりました。長崎の郷土料理や家庭料理を教えておられる石橋知永子先生の下で助手として、様々な経験をさせていただいたんです。中でも、石橋先生の料理人生の集大成とも言える「ながさき味暦」という料理本に深く関わらせていただいたことは、大きな財産。私、この本の料理写真を撮影させてもらったんですよ!写真なんてまるで素人!カメラもこの撮影用に購入したくらいで(笑)。編集部の方のアドバイスで購入したカメラを使い、アルミホイルで料理に光を当てたり、料理を盛りつけたり…大切な恩師の本ですから失敗は許されません。それはもう全力でやりました。全力でぶつかれば、たいていのことは本当にどうにかなるんですよね(笑)。無事に出版された時は感無量でしたね」。

 とても素人が撮影したとは思えない完成度の高さ!石橋知永子著「ながさき味暦」には、 しっかりと「撮影・赤崎奈穂子」の記名もされています。赤崎さんにとっても記念碑的な一冊が誕生しました。こうした経験を経て、いよいよ料理教室「ボナペティ」始動です!

 「石橋先生の強い後押しもあり、2004年4月いよいよ自分の料理教室を開くことになりました。自宅を建てる際、料理教室を想定してキッチンなどを設えていましたので、自宅を教室にしての立ち上げに。友人たちの多くが生徒になってくれて(笑)、スタートから2クラスできるほど盛況だったんです。本当にありがたかったですよね。お月謝を出して来てくれるからには、生徒さんたちに金額以上の満足感や充実感、この教室を通っていて良かったと感じてほしい、といつも試行錯誤していました。そんな中、とある料理コンテストに応募し、最優秀賞をいただいたんです。それが大きな転機となりましたね」。

 有田焼の総合商社「株式会社まるぶん」が「究極のラーメン鉢」の発売を記念して「わが家の自慢!ラーメン料理コンテスト」を主催。たまたま訪れた陶器市でこのコンテストを知った赤崎さんでしたが、「ラーメン」はこれまでの赤崎さんのレシピの中になかったもので、若干の抵抗もあったそう。でも、ここが赤崎さんの分岐点。

 「チャンスって、しなやかに構えている方が掴めると思うんです。確かにラーメンという料理はそれまでの私のレシピにはなかったものですが、だから「やらない」と頑なな考えに捕われていたら、今の私はなかったでしょうね。インスタントラーメンを栄養面も考えつつ、美味しくいただくレシピはおもしろい!と思えたので挑戦してみることにしたんです。ラーメン鉢のデザインを活かせるようビジュアルにもこだわってつくりました。カラーコーディネートの資格を持っているのですが、色彩の感覚は料理に大いに役立っています。結果、最優秀賞を受賞でき、このニュースからテレビ番組の料理コーナーのお話をいただいたのです」。

 数々のコンテストで優秀な成績を残した赤崎さんには、テレビや雑誌の取材が舞い込むように(詳しくは、ボナペティHPを参照)。2009年には「できたてGopan(KTN)」の料理コーナー「みんなdeごはん」に出演。小さい頃からの夢だった「料理番組に出る人」を叶えました。

 「今日の私があるのも、まるぶんさんを始め、テレビや雑誌などの関係者の方々との出会いがあったからこそ。 私は、その方々に支えられ、育ててもらったと感じています。今でも、心の底からとても感謝しているんですよ。」

 料理教室に通う生徒さんたちにとっては、「料理コーナーを担当したり、雑誌に取り上げられるほどの先生に教えてもらえる」というステイタスを感じてもらえるように。「好きなことに全力で取り組む」と誓った赤崎さんの40代は、まさに思い描いた通りに進んでいったのでした。

 20代で自分に課した約束を、着実に叶えてきた赤崎さん。今、ネクストエイジを前に「社会貢献をする」活動の機会にめぐりあえたそうです。

 「長崎市からの呼びかけで、「魚のまち長崎応援女子会」という会が設立されて、私もその中の一員としての活動が始まりました。お魚の美味しい長崎を、日本全国へアピールするために、様々なジャンルの女性たちが集まりアイディアを出し合うんです。長崎市内のクジラ販売や水産加工、料理店などの分野で活躍する女性15名が、長崎の水産業について学び、それを広めていくという、とてもやりがいがある活動なんですよ。私は料理研究という観点から、長崎の魚を全国にPRしていければと思っています」。

 目を輝かせ、穏やかに微笑む赤崎さんは、年齢を感じさせないときめきに満ちています。自分に課した目標、夢、約束……それらを真摯に守り、果たそうと努力を続けて来たからこそ輝く今がある、とその姿が教えてくれています。

 「料理は思いやりです。つくる相手が「食べたい」と思うものが、本当のごちそうだと私は思います。だから、相手にとっての「ごちそう」を探るのが、まず1歩目。料理に限らず、相手の望むこと、嫌がることを知れば、良い関係性を築けるはず。これから結婚を控えている方には、「自分本位にならないように」とアドバイスしています。時々、「こんなに頑張っているのに、相手に伝わらない」という声を聞きますが、それは相手の求めているものと違う部分で頑張っているのかもしれません。自分ではなく、相手のことを想像しながら、どんなことをしてほしいのだろう、どんなものを食べたいのだろう、そんな思いやりを巡らせる、それが夫婦に限らず人間関係の潤滑油になると思いますよ」。

【編集後記】

 「相手を思う気持ちが料理を美味しくする」という赤崎さんのポリシーは、料理だけに留まらず人生全てに役立つキーワード。相手を大切にすることができる人は、自分も大切にできる。相手の生き方を尊重できる人は、自分の生き方も尊重してもらえる。1人では生きていけないからこそ、誰かのために生きることが求められるのでしょう。

 人生は料理のようなものかもしれません。食材は「人との出逢い」。調理法は「出逢った人との関わり方」。調味料は「出逢った相手を深く思いやる心」。この3つが揃った時、私たちの人生は最高の料理のように味わい深いものになるのかもしれません。赤崎さんから料理を通して女性の輝く生き方を教えてもらいました。赤崎さんの生き方をお手本に、女性としての人生を「ボナペティ(美味しく召し上がれ)」!

赤崎奈穂子さんのブログはコチラ

2012年04月23日:ママ記者M
 
長崎県内で活躍中の女性たちや、長崎出身の県外で頑張る女性たちを、ママモニからピックアップして、インタビュー取材を行います。
「自分らしく、人生を楽しんでいるひと」「夢に向かって、頑張っているひと」「大切なことに熱中しているひと」様々なインタビューを通して、ユーザーの皆さんの自分流の楽しみ方や、何かのヒントが見つかるかも?! 刺激的で元気が湧いてくる記事をアップしていく予定です!
もしかすると…つぎは貴方が旬なひと?!