工場内には、豆乳の甘い香りや厚揚げの香ばしい香りが漂っています。 豆腐づくりの工程と製品によって、製造ラインが組まれているのですが、豆腐づくりの起点となるのは「大豆→豆乳」の工程。 通常の作り方は、大豆を豆乳にする場合、まず大豆を10〜12時間水に浸し、その後、細かく粉砕するのですが、九一庵さんでは、この一連の作業がありません!なぜなら……
生豆の皮をそのまま剥き、粉砕する最新のマシンを導入しているからです!このマシンは、大豆を水に浸す時間(12時間)を大幅にカットすると同時に、大豆の水溶性のタンパク質と旨味の流失を最小限に抑えることができるそう。これまでの常識を覆し、さらに上の美味しさを実現する夢の機械なのです。その名も無浸漬豆乳プラント「エコスター」! 「大豆を水に浸す」という作業をカットした最新マシンは、今や「豆腐業界に革命を起こした」と言われるほど全国の豆腐業者に広まりつつある機械です。その素晴らしい着眼点に対して、「第5回ものづくり大賞(経済産業省主催)」で内閣総理大臣賞が授与されました。 九一庵さんはなんと!この「エコスター」を全国で初めて導入した豆腐工場。 全国のどこよりも早く「美味しい豆腐づくり」のために さらなる改良を目指した、九一庵さんのあくなき「向上心」と「先見の明」に脱帽です。
エコスターで挽き割り、すり潰した大豆をグツグツとしっかり煮ていきます。
一般的な製造工程では大豆を釜で煮ていく時、大量の泡が発生するそう。その泡を消すために使われるのが「消泡剤」と言われるものです。消泡剤の成分は、炭酸カルシウム、抗酸化脂肪酸、シリコン樹脂など。九一庵さんでは、食の安全の観点から、この消泡剤を使っていません。使わなくてすむように、泡が発生しない特殊な煮釜を導入したそうです。消費者目線の「安心・安全」を第一に考える九一庵さんだからこそのこの「煮釜」なのです。 (※一般的な豆腐づくりには、消泡剤を使用していてもパッケージへの表示義務がないそうです。)
煮た大豆を豆乳とおからに分離します。
甘く香り立つ「豆乳」。 大豆の皮が入っていない、きれいな「おから」が出てきました。
搾り取った濃厚な豆乳に、九一庵さんでは、崎戸産(五島灘)の海水から作った「にがり」を凝固剤として加えます。「にがり」=「塩化マグネシウム」の特徴は、水に溶けやすく、凝固反応が早いため、扱いが難しい反面、大豆の味を引き出し自然のミネラルが豊富な豆腐ができます。「にがり」を使うと、豆乳を「冷やす」という工程と、さらに「蒸す」という工程を増やすことになり、手間がかかるのです。そのため、九一庵さんでは豆乳を10℃以下に冷却し、「にがり」を加えています。その後、蒸し上げて豆腐に仕上がるのです。「美味しさ」と「安心」を目指しているからこそ、「にがり」にこだわっているのです。
パッケージされた豆腐は、殺菌のために加熱され、いよいよ完成。 安心、安全、美味しい豆腐は、1日に約7万丁が製造され、九州一円に出荷されているそうです。
ここで、製造ラインの見学終了!
活気のある工場内で、わかりやすくご説明下さった山平専務!ありがとうございました!
「九州一、安心、安全、美味しい豆腐をつくる」という高い志がぎっしりとつまった工場でした! 素材へのこだわりはもちろん、「手間ひまをいとわない」という真摯な姿勢は、まさに誇り高い「職人」の仕事。最新鋭の設備を完備し、オートメーション化されている部分もありますが、あくまで伝統的な豆腐づくりを基本に、人の手と真心が随所に感じられる工場だと感じました。 だからこそ、平成19年には豆腐業界ではあまり例のない、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」の認証を取得。平成23年には、他の模範となる食品衛生管理の優良施設として、「厚生労働大臣賞」を受賞しているのです!スゴい!!
1−1. 大豆→豆乳へ
工場内には、豆乳の甘い香りや厚揚げの香ばしい香りが漂っています。 豆腐づくりの工程と製品によって、製造ラインが組まれているのですが、豆腐づくりの起点となるのは「大豆→豆乳」の工程。
通常の作り方は、大豆を豆乳にする場合、まず大豆を10〜12時間水に浸し、その後、細かく粉砕するのですが、九一庵さんでは、この一連の作業がありません!なぜなら……
生豆の皮をそのまま剥き、粉砕する最新のマシンを導入しているからです!このマシンは、大豆を水に浸す時間(12時間)を大幅にカットすると同時に、大豆の水溶性のタンパク質と旨味の流失を最小限に抑えることができるそう。これまでの常識を覆し、さらに上の美味しさを実現する夢の機械なのです。その名も無浸漬豆乳プラント「エコスター」! 「大豆を水に浸す」という作業をカットした最新マシンは、今や「豆腐業界に革命を起こした」と言われるほど全国の豆腐業者に広まりつつある機械です。その素晴らしい着眼点に対して、「第5回ものづくり大賞(経済産業省主催)」で内閣総理大臣賞が授与されました。
九一庵さんはなんと!この「エコスター」を全国で初めて導入した豆腐工場。 全国のどこよりも早く「美味しい豆腐づくり」のために さらなる改良を目指した、九一庵さんのあくなき「向上心」と「先見の明」に脱帽です。